「説明」と「解説」の違いは、どこまで踏み込むかにあります。説明は事柄が分かるように述べること、解説はそこから一歩進んで理由・背景・影響まで分析して述べることです。多くの場面では言い換えが利きますが、この差を知っておくと選び間違いがなくなります。
説明と解説の違い
| 説明 | 解説 | |
|---|---|---|
| 辞書の意味 | ある事柄が、よくわかるように述べること | 物事の要点・意味などをわかりやすく説明すること |
| 踏み込む範囲 | 事実を伝えるところまで | 理由・背景・影響まで分析する |
| 語感 | 使える範囲が広く、客観的 | 分析が入り、専門性を感じさせる |
| 話し手 | 誰でもよい | 詳しい人・専門家であることが多い |
| 辞書の用例 | 医者が病状を説明する/事件のあらましを説明する/電気器具は説明をよく読む | 事件の背景を解説する/作品の解説/ニュース解説 |
国語辞典の用法欄でも、「説明」は使われる範囲が広く客観的な感じがある、「解説」は分析し、生じた理由や背景、他に与える影響などにまで言及することが多いと説明されています。
言い換えられる場合と、できない場合
「この件について説明してください」「この件について解説してください」のように、わかりやすく述べるという意味では相通じて使えます。どちらでも通じる場面のほうが多いくらいです。
一方、置き換えると不自然になるのは次のような場合です。
| 言い方 | 自然さ | 理由 |
|---|---|---|
| 取扱説明書 | ◯ | 手順を伝えるもの。分析はしない |
| 取扱解説書 | × | 使い方の指示に分析は不要 |
| 事件の背景を解説する | ◯ | 理由や影響に踏み込んでいる |
| 遅刻の理由を解説する | × | 個人的な事情を述べるだけなら「説明」 |
| ニュース解説 | ◯ | 出来事の意味を分析して伝える |
| ニュース説明 | △ | 意味は通るが定型表現ではない |
使い分けの目安
- 何が起きたかを伝えるだけなら「説明」。事実、手順、事情を述べる場面です。
- なぜそうなったか、それが何を意味するかまで述べるなら「解説」。分析が入るかどうかが分かれ目です。
- 自分の行いについては「説明」。自分の遅刻や失敗を「解説する」とは言いません。
- 迷ったら「説明」。使える範囲が広く、外しにくい語です。
ビジネスでの使い分け
社内外の文書では、次のように整理すると迷いません。
- 製品の使い方を伝える資料 → 操作説明
- 数字が動いた理由を分析する資料 → 要因の解説
- 上司への報告 → 事実を述べるので説明
- セミナーで専門知識を噛み砕いて伝える → 解説
なお、相手に求めるときは注意が必要です。「解説をお願いします」は相手を専門家として立てる響きになりますが、状況によっては大げさに聞こえます。事情を知りたいだけなら「ご説明いただけますか」が無難です。
例文
- 担当者が新しい制度について説明した。
- 取扱説明書をよく読んでから使用してください。
- 解説者が、その一手の狙いを解説した。
- 記事の末尾に、専門家による解説が添えられている。
- 遅れた理由を説明したが、納得してもらえなかった。
似た言葉との関係
| 語 | 意味の中心 |
|---|---|
| 説明 | 分かるように述べる |
| 解説 | 分析を加えて分かるように述べる |
| 概説 | 全体の大筋を述べる |
| 論説 | 意見や主張を筋道立てて述べる |
| 解釈 | 意味を読み取って言い表す |
まとめ
- 説明は「分かるように述べる」、解説は「理由・背景・影響まで分析して述べる」。
- 多くの場面で言い換えが利くが、取扱説明書・ニュース解説のような定型表現は入れ替えられない。
- 自分の行いについては「説明」を使う。
- 迷ったときは、使える範囲の広い「説明」を選べば外れにくい。