「青梅」は「あおうめ」と読み、まだ熟していない、青くて硬い梅の実を指します。夏の季語でもあります。なお同じ漢字を「おうめ」と読むと東京都青梅市のことになり、意味がまったく変わります。
「青梅」の読み方は二通りある
| 読み方 | 意味 |
|---|---|
| あおうめ | 熟す前の青い梅の実 |
| おうめ | 東京都北西部にある青梅市(地名) |
文章中でどちらか紛らわしいときは、果実なら「青い梅の実」、地名なら「青梅市」と補うと誤読を防げます。単に「青梅」と検索した場合、検索結果に地名の情報が多く混ざるのはこのためです。
青梅と熟した梅の違い
| 青梅(未熟) | 完熟梅 | |
|---|---|---|
| 色 | 濃い緑色 | 黄色〜赤みを帯びる |
| 硬さ | 硬い | やわらかい |
| 香り | 完熟梅より弱く、爽やかで控えめ | 甘く強い香り |
| 収穫時期の目安 | 初夏(梅雨の前後) | 青梅より遅い |
同じ木になる同じ実で、収穫の時期が違うだけです。「青梅」は品種名ではなく、熟度を表す言い方である点が、言葉としてのポイントになります。
生の青梅は食べない
言葉の意味とは別に、注意点として広く知られている事柄です。農林水産省は、青梅にはシアン化合物という天然毒素が含まれるとして、生のまま食べないよう注意を呼びかけています。梅干しや梅酒などに加工・熟成させると分解されるとされており、加工したものを食べるよう案内されています。
「青梅は生で食べられない」という言い回しを見かけるのは、この性質によるものです。
季語としての「青梅」
「青梅」は夏の季語です。梅の花が春の季語であるのに対し、実である青梅は夏に分類されます。
与謝蕪村の句「青梅に眉あつめたる美人かな」がよく知られています。青梅の酸っぱさを想像して思わず眉を寄せる、という情景で、青梅が「強い酸味」の象徴として使われていることがわかります。
「青梅」の使い方と例文
- 庭の梅の木に青梅がたくさん実った。
- 青梅を漬けて、梅酒を仕込む。
- 青梅はまだ硬く、香りも控えめだ。
- 青梅のような若々しさ、という言い方をすることもある。
- 週末に東京都青梅市(おうめし)を訪れた。
比喩としては、未熟さや若さのたとえに使われることがあります。ただし定型表現として定着しているわけではないため、文章で使うときは前後で意味が伝わるようにしておくと安全です。
香木の名としての「青梅」
辞書には、「青梅」が香木である沈香(じんこう)の一種の名でもある、という語義が載っています。酸っぱく苦い香りが青梅の風味を思わせることから、この名が付いたとされます。
青梅の果実を原料にしているという意味ではなく、香りの印象から名付けられた香木の呼び名です。香道に関する文脈でなければ、まず目にすることはありません。
青梅の関連語
| 語 | 意味 |
|---|---|
| 完熟梅 | 木で十分に熟した梅の実 |
| 梅雨(つゆ) | 梅の実が熟すころの長雨。青梅の時期と重なる |
| 梅仕事 | 梅の実を漬けるなどの初夏の手仕事 |
| 青梅市(おうめし) | 東京都北西部の市。同じ漢字で読みが異なる |
まとめ
- 「青梅」は「あおうめ」と読み、熟していない青く硬い梅の実のこと。
- 「おうめ」と読むと東京都青梅市を指し、意味が変わる。
- 品種ではなく熟度を表す言葉で、完熟梅とは同じ木の実。
- 夏の季語。蕪村の「青梅に眉あつめたる美人かな」が代表的。
- 生食は避けるよう農林水産省が注意を呼びかけている。