「申請」と「申告」の違いは、相手に認めてもらうよう求めるのが申請、事実を届け出るのが申告という点にあります。
申請(しんせい)は、国や公共の機関などに対して、認可・許可その他一定の行為を求めること。相手が認めるかどうかを判断します。
申告(しんこく)は、法律上の義務として、官庁に一定の事実を申し出ること。こちらは事実を伝える行為で、相手の許可を求めているわけではありません。
「ビザを申請する」「確定申告をする」という言い方の差が、そのまま両者の性格を表しています。
「申請」の意味と読み方
読み方は「しんせい」
「申請」は「しんせい」と読みます。
意味は「認可・許可などを求めて願い出ること」
デジタル大辞泉では、「申請」は希望や要望事項を願い出ること。特に、国や公共の機関などに対して認可・許可その他一定の行為を求めることと説明されています。用例は「ビザを申請する」です。
精選版 日本国語大辞典では、「許可・承認を得るために願い出ること」とされています。ポイントは「許可・承認を得るために」という部分で、申請には受け取る側の判断がともなうことが分かります。
だから申請には、認められる場合と認められない場合があります。「申請が通った」「申請が却下された」という言い方が成り立つのはこのためです。
「申告」の意味と読み方
読み方は「しんこく」
「申告」は「しんこく」と読みます。
意味は「事実を申し出ること」
デジタル大辞泉では、「申告」に次の意味が挙げられています。
- 申し告げること。用例:「選手の交替を申告する」
- 国民が法律上の義務として官庁に事実を申し出ること。用例:「一時所得として申告する」「確定申告」
2つめが役所の手続きで使われる意味です。精選版 日本国語大辞典では「法令の規定により、行政官庁に一定の事項を明らかにして申し出ること」とされています。
こちらは義務として事実を伝える行為です。相手が認めるかどうかを待つものではないため、「申告が却下された」という言い方は基本的にしません。
「申請」と「申告」の違い
3つの視点で整理する
- 目的:申請は許可・認可・交付などを求める。申告は事実を伝える。
- 相手の判断:申請には審査があり、認められないことがある。申告は受理されるのが基本で、内容の是非は後の調査で問われる。
- 義務かどうか:申請はこちらが望んで行う。申告は法令で義務づけられていることが多い。
見分け方
「してもよいか」を尋ねているなら申請、「こうでした」と報告しているなら申告です。
たとえば助成金は「申請」します。もらえるかどうかを役所が判断するからです。一方、所得は「申告」します。いくら稼いだかという事実を伝える義務があるからです。
使い分けの例文
「申請」を使う例
- パスポートの発給を申請する。
- 育児休業の申請書を人事に提出した。
- 補助金の申請が承認された。
- 建築確認を申請してから着工する。
「申告」を使う例
- 確定申告の期限は3月15日です。
- 海外で購入した品を税関で申告する。
- 持病がある場合は事前に申告してください。
- 審判に選手の交替を申告する。
よくある組み合わせ
- 申請するもの:許可、認可、免許、給付金、補助金、助成金、ビザ、特許、返金、休暇
- 申告するもの:所得、相続、贈与、輸入品、既往症、勤務時間、住所変更(届出)
迷ったときは、その手続きに「審査」があるかどうかを考えてみてください。審査があるなら申請、報告して終わりなら申告です。
似た言葉との違い
- 届出(届け出):一定の事項を行政機関に知らせること。申告と近く、義務であることが多い。婚姻届や転入届のように、受理されれば効力が生じるものを指します。
- 申込み:契約や参加を求めること。相手は民間の場合も多く、行政手続きに限りません。
- 請求:権利として金銭や書類の交付を求めること。「住民票を請求する」のように使います。
まとめ
- 申請(しんせい)は、認可・許可などを求めて願い出ること。審査があり、認められないこともある。
- 申告(しんこく)は、法律上の義務として事実を申し出ること。確定申告が代表例。
- 「してもよいか」を尋ねるなら申請、「こうでした」と伝えるなら申告。
- 迷ったら、その手続きに審査があるかどうかで判断する。