テラー(teller)とは、銀行などの金融機関の窓口で、客と応対する係の人を指す言葉です。読み方は「テラー」。国語辞典にはもうひとつ、話し手・語り手という意味も載っています。
英語の teller は動詞 tell(話す・伝える)から生まれた語で、もとは「語る人」の意味です。そこから「(お金を数えて)伝える人」=金銭出納係の意味が生まれました。日本語のカタカナ語「テラー」では、銀行の窓口係を指す使い方が中心です。
「テラー」の意味
意味は2つある
デジタル大辞泉では、「テラー」に次の2つの意味が挙げられています。
- 話し手。語り手。
- 金銭出納係。銀行などの金融機関の窓口で、客と応対する人。
日本語で「テラー」と言うとき、実際に使われるのはほぼ2つめの意味です。銀行や信用金庫の求人・研修・業務マニュアルなどで「テラー業務」という言い方をします。
英語の teller
英和辞典(プログレッシブ英和中辞典)では、teller の訳語として次のものが挙げられています。
- (情報を)伝える人、語る人、語り手
- 金銭出納係
- (議会などの)投票集計係
3つめの「投票集計係」は、議会で票を数えて結果を告げる役のことです。「数えて伝える」という点で、金銭出納係と発想が共通しています。
銀行の「テラー」の仕事
金融機関でテラーと呼ばれるのは、窓口カウンターで客に直接応対する担当者です。おもな業務は次のようなものです。
- 入金・出金・振込の受付と処理
- 口座開設や住所変更などの各種手続き
- 公共料金や税金の収納
- 商品の案内、専門部署への取り次ぎ
窓口の奥で事務処理を行う「後方事務」と区別して、客と直接向き合う役割を「テラー」と呼び分ける職場が多くあります。金融機関によっては「ハイカウンター」「ローカウンター」といった呼び方で担当を分けることもあります。
ATMの「テラー」も同じ語
現金自動預け払い機(ATM)は、英語で automatic teller machine といいます。この teller も「金銭出納係」の teller です。自動の出納係の機械、つまり人が担っていた窓口業務を機械が行う、という意味の名称になっています。
日本語では「ATM」という略称だけが定着していますが、元の言葉をたどると「テラー」と地続きであることが分かります。
「ストーリーテラー」の「テラー」
「ストーリーテラー(storyteller)」は、物語を語る人、話し上手な人を指します。ここでの teller は1つめの「語り手」の意味です。
同じ「テラー」でも、金融の文脈と物語の文脈では意味が違います。文脈で判断してください。
使い方と例文
- 新入行員はまずテラー業務から経験を積む。
- 窓口のテラーに記入方法を教えてもらった。
- テラーには正確さと接客の丁寧さが求められる。
- 彼は生まれながらのストーリーテラーだ。
豆知識
- tell から生まれた語:teller は動詞 tell に「〜する人」を表す -er が付いた形です。「伝える人」がもとの意味で、そこから数えて告げる役の意味へ広がりました。
- fortune teller:「占い師」を英語で fortune teller といいます。運命(fortune)を告げる人、という組み立てです。
- 人名の「テラー」:水素爆弾の開発に関わった物理学者エドワード・テラー(Edward Teller)のように、姓としての Teller もあります。こちらは語義とは無関係です。
まとめ
- テラー(teller)は、銀行などの窓口で客に応対する金銭出納係のこと。
- 国語辞典には「話し手・語り手」の意味も載っている。
- 英語の teller は tell(話す・伝える)から生まれ、「語り手」「金銭出納係」「投票集計係」の意味を持つ。
- ATM(automatic teller machine)の teller も、この「金銭出納係」の意味。