寝入る(ねいる)とは、眠りに入ること、またぐっすりとよく眠ることを指す言葉です。読み方は「ねいる」。
「寝る」が横になることや眠っている状態全体を指すのに対し、「寝入る」は眠りに落ちる場面や、深く眠っている状態に焦点があります。「床に入るやすぐに寝入った」「子どもはぐっすり寝入っている」という使い方が典型です。
国語辞典にはもうひとつ、活気がなくなるという古い意味も載っています。この記事では3つの意味と、「眠りに入る」の言い換え表現を整理します。
「寝入る」の意味と読み方
読み方は「ねいる」
「寝入る」は「ねいる」と読みます。「寝る」と「入る」を組み合わせた動詞です。
意味は3つある
デジタル大辞泉では、「寝入る」に次の意味が挙げられています。
- 眠りに入る。用例:「床に入るやすぐに寝入る」
- よく眠る。熟睡する。用例:「ぐっすり寝入っている」
- 活気がなくなる。用例:「元はあんな寝入った子じゃなかったが」
1つめは眠りに落ちる瞬間、2つめは深く眠っている状態を指します。同じ語でありながら、時間の切り取り方が違う点がこの言葉の特徴です。文中では「すぐに寝入った」なら1つめ、「ぐっすり寝入っている」なら2つめ、と副詞や時制で見分けられます。
3つめは現代ではほとんど使われませんが、精選版 日本国語大辞典にも「活気や勢いが失われること」として載っており、江戸後期の用例が確認できます。
「寝入る」と「寝る」の違い
- 寝る:横になる、就寝する、眠っている——という幅広い意味を持つ。「9時に寝る」は就寝の意味で、必ずしも眠ったことを表しません。
- 寝入る:実際に眠りに落ちること、または深く眠っていること。眠りに入ったという事実が含まれます。
「昨日は11時に寝た」は布団に入った時刻を指しますが、「昨日はなかなか寝入れなかった」と言えば、布団には入ったのに眠れなかったという意味になります。この差が「寝入る」の使いどころです。
「寝入る」の言い換え・類語
眠りに落ちる場面の言い換え
- 眠りに就く(つく):改まった言い方。文章向き。
- 眠りに落ちる:意識が急に途切れる感じ。文学的な表現。
- 寝つく:眠りに入る。「寝つきが悪い」の形でよく使われます。
- 入眠する:医療・睡眠分野の用語。日常会話では使いません。
- 夢路をたどる:古風で情緒的な言い方。
深く眠っている状態の言い換え
- 熟睡する:深く眠ること。もっとも近い言い換え。
- ぐっすり眠る:話し言葉で自然な言い方。
- 安眠する:安らかに眠ること。妨げがない状態に重点。
- 寝込む:深く眠る意味もありますが、病気で床につく意味が強いため、置き換えには注意が必要です。
「眠りに入る」を言い換えたいとき
文章のかたさに合わせて選びます。日常の文なら「寝つく」「眠りに就く」、医療や研究の文脈なら「入眠する」、情景描写なら「眠りに落ちる」が自然です。
例文
- 疲れていたのか、電車の中ですぐに寝入ってしまった。
- 子どもはぐっすり寝入っていて、物音にも気づかない。
- 薬が効いたようで、いつもより早く寝入れた。
- 寝入りばなに電話が鳴って目が覚めた。
「寝入りばな」という言い方
「寝入りばな(寝入り端)」は、眠り始めたばかりのころを指す言葉です。「寝入りばなを起こされる」のように使い、寝入るの1つめの意味から生まれた表現です。もっとも眠りが深く、起こされると不快に感じやすい時間帯を指すのに使われます。
使う際の注意点
「寝入る」は自分の意思で行うことではなく、自然にそうなることを表す語です。そのため命令形や依頼の形にはなじみません。「早く寝入りなさい」とは言わず、「早く寝なさい」と言います。
また敬語にもしにくい語です。目上の人については「お休みになりました」「おやすみのようです」と言い換えるのが自然です。
まとめ
- 寝入る(ねいる)は、眠りに入ること。また、ぐっすりよく眠ること。
- 辞書には「活気がなくなる」という古い意味も載っているが、現代ではほとんど使わない。
- 「寝る」は就寝や横になることも含むが、「寝入る」は実際に眠ったことを表す。
- 言い換えは、眠りに落ちる場面なら「寝つく」「眠りに就く」、深く眠る状態なら「熟睡する」。
眠りに関する言葉の使い分けは、こちらの記事でも解説しています。
