「可憐」は「かれん」と読み、姿や形がかわいらしく、守ってやりたくなるような気持ちを起こさせるさまを表す言葉です。「可憐に咲く野の花」のように、小さく清らかなものをほめるときに使います。
「可憐」の意味
国語辞典では「姿・形がかわいらしく、守ってやりたくなるような気持ちを起こさせること。また、そのさま」と説明されています。用例として「可憐に咲く野の花」「少女の可憐な瞳」が挙げられています。
単に「かわいい」と言うのとの違いは、いたわりたくなる気持ちがともなう点です。派手さや強さではなく、小さくて繊細で、少し頼りない印象のものに向けられます。
「憐」の字が示すもの
「可憐」は「憐(あわれ)むべき」という意味から生まれた語です。「憐」はあわれむ、いとおしむという意味の漢字で、ここにただかわいいだけでなく、そっと大切にしたくなるという語感の根拠があります。
「可憐な」「可憐に」の使い方
「可憐」は名詞であり形容動詞でもあるため、次の二つの形で使います。
| 形 | 続くもの | 例 |
|---|---|---|
| 可憐な | 名詞 | 可憐な花/可憐な少女/可憐な歌声 |
| 可憐に | 動詞 | 可憐に咲く/可憐に微笑む |
「可憐だ」と言い切る形や、「可憐さ」という名詞形も使えます。
「可憐に咲く」とはどういう意味か
よく検索される言い回しです。小さく清らかな花が、ひっそりと、しかし健気に咲いている様子を表します。大輪の花や豪華な花には通常使いません。道端のすみれやかすみ草のような、目立たないけれど心をひかれる花に向けられる表現です。
「可憐」を使った例文
- 石垣のすきまに、白い花が可憐に咲いていた。
- 彼女の可憐なしぐさに、思わず目を奪われた。
- 幼い妹の可憐さは、家族みんなの自慢だった。
- 可憐な見た目とは裏腹に、意志の強い人だった。
- 一輪挿しに活けると、その花はいっそう可憐に見えた。
「可憐」の類語・言い換え
| 言い換え | 違い |
|---|---|
| 愛らしい | ほぼ同義。守りたくなる感じはやや弱い |
| いじらしい | 健気さ・けなげに耐える様子に寄る |
| しおらしい | 控えめでおとなしい態度を指す |
| あどけない | 幼さ・無邪気さが中心 |
| 清楚 | 清潔で飾り気がないこと。かわいらしさは含まない |
| かわいらしい | もっとも広く使える平易な語 |
使うときの注意点
- 大きなもの・力強いものには使いません。「可憐な大木」「可憐な体格」は不自然です。
- 成人男性に使うと違和感が出ます。本来は小さく繊細なものへの語であり、人に使う場合も対象が限られます。
- ほめ言葉として使うときは相手を選びます。「守ってやりたくなる」という含みがあるため、対等な相手や目上の女性に向けると、頼りないと評価したように受け取られることがあります。
- 「可哀想」とは別の語です。語源に「あわれむ」が含まれますが、現代の「可憐」に同情の意味はありません。
まとめ
- 「可憐」は「かれん」と読み、かわいらしく守ってやりたくなるようなさまを表す。
- 「憐(あわれむべき)」から生まれた語で、いたわりたくなる気持ちを含む。
- 「可憐な+名詞」「可憐に+動詞」の形で使う。
- 小さく繊細なものに向ける語で、大きなものや力強いものには使わない。